3月17日放送のNHKのプロフェッショナル 仕事の流儀で紹介された靴磨き世界一の長谷川裕也さんが話題です。
ロンドンの靴磨き世界大会でヨーロッパ本場の精鋭たちを抑えて2017年に優勝し、世界一になった長谷川さん、弟子入りしたのはたった1日だとか。ワンコインで始めたという靴磨きが今や1足4000円だそうです。
年収は?どんな経歴なの?靴磨き世界一のお店はどこ?など、気になることをまとめました。
長谷川裕也/プロフェッショナルの経歴や年収は?
3月17日のプロフェッショナル仕事の流儀は、靴磨き世界一の長谷川裕也さんでした。
あいにく当初の放送予定日から1ヶ月近く延期されての放送でしたが、ご本人も出演をとても喜んでおられたようです。
次回は #世界一の靴磨き職人 #長谷川裕也 さん。#靴磨き の奥深い世界にご案内します。
11(火)よる10時~
祝日で、いつもより30分早いです。#NHK #プロフェッショナル #靴磨き pic.twitter.com/k2EPZQeoRf
— プロフェッショナル仕事の流儀 (@nhk_proff) February 9, 2020
ご自身のインスタに、次のようにコメントされていました。
【とうとう出るぜっ!!】
明日22:00〜NHK “プロフェッショナル 仕事の流儀”に出ます!ずっとずっとず〜っと、この番組に出るまではバラエティ番組出ない!って決めてやっと出演出来てとても嬉しいですし有難いです!これを機にまた靴磨きが世の中に広まる事を祈ってます!明日ドキドキ💓!
この番組に出るのを一つの目標にされてきたようでもありますね。
そんな長谷川さんですが、シングルマザーのお母様に育てられ、高校卒業したらすぐ働く、と決めて最初のお仕事は月給11万4000円の製鉄所勤務だったそうです。そこで出会った同僚に影響されて、海外に行きたい!と英会話学校に通い始めました。
その頃偶然見つけた求人の甘いコピー「英語を学びながらお仕事可能。週給13万から」につられて、製鉄所を8カ月で辞めて転職した次の仕事は、「フルコミッション制」の英語の教材販売でした。
路上で声をかけて、数十万円する教材を売るという、かなり大変な仕事ですが、フルコミッションと聞いて「仕事した分だけ稼げるなんて!」と長谷川さんはめちゃくちゃやる気になったったそうです。
若いってすごい、ていうか長谷川さん、超ポジティブ。
無給の4カ月を苦しみながら過ごした後、コツをつかみ、1週間で3つの契約を取れるほどに成長し、週給40万円を手にするほどまでになったそうです。明るい性格とトークが武器になったとか。
週休40万ということは、日給5〜8万円。すごいですね。フルコミッション万歳ってとこでしょうか。
しかしその後はスランプ、激務により体調を崩したり、とうまくいかない時が続き、退職した後は日雇いのバイトでその日暮らしに近いような生活になり、その日雇いバイトさえも仕事が入らなくなり、全財産2000円まで追い込まれたそうです。
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日銭、日銭と考えて、路上で何かやろう、マッサージか靴磨き、いや靴磨きにしよう!と100円ショップで買った靴磨きセットとお風呂用の椅子を抱えて、心細いので友達を誘ってサラリーマンの多そうな東京駅丸の内口で、全くど素人が靴磨きを始めました。
とりあえず場所を確保して、キリの良さそうなワンコイン500円でやってみたら、お客さん来ちゃった!
きてくれたお客さんの靴を、とにかくピカピカにしようと一生懸命磨いて1日過ごしたら7000円になったそうです。
すごく嬉しかったんだそうですよ。
思いつきとはいえ、自分で考えてお金を稼いだという経験、磨いている間にお客さんと話すのも楽しかった。
いける!って思ったそうです。
ジェットコースターみたいな人生ですね。この時長谷川さんはまだ20歳です。
お客さんに下手くそ、と言われて、負けん気に日がついて丸の内中の競合の靴磨きやさんを観察して回って技術を盗んだり、とかいうのは勉強熱心ですよね。
ショップ店員の職を見つけ、そこで店長にまで出世してもまだ、休日には靴磨きを続け、馴染みのお客さんをたくさん持つベテランがひしめく激戦の丸の内から、品川駅の港南口に移った頃から追い風が吹き始めたそうです。
- 靴磨きの日を固定したことで、常連さんが増えた
- 「出張靴磨き」をするようになり、個人宅やオフィスに呼んでくれる上客が増えた
ついに独立を決めた長谷川さんは、有楽町交通会館の靴磨きのレジェンド「千葉スペシャル」こと千葉尊(ちばみこと)さんに1日だけ弟子入りし、自分でも本などで猛勉強して専業靴磨き職人となりました。
「靴磨き.com」のサイトでは出張と宅配を受け付け、自分は毎日品川駅の路上に出る、オンラインとオフライン全開で仕事を取る靴磨き職人は珍しかったでしょうね。
若くて綺麗な格好で靴磨きをする長谷川さんの姿は目立ち、メディアに取り上げられたりもしてお客さんも増えていき、南青山の骨董通りに世界初の靴磨き専門店「Brift H AOYAMA」を開いたのは2008年6月18日でした。
そのお店はバーのような高いカウンター越しにスツールに座ったお客さんが、靴磨きを眺められるという変わったスタイルで、斬新だと話題になったのですが、それは品川の頃に馴染みのお客さんから紹介で来てくれた一人のお客さんの何気ない一言がきっかけだったとか。
縮こまるようにして靴を磨いている姿はカッコ悪い、と言われたのがずっと頭の隅に残っていたそうです。
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確かにお客さんと視線の高さがほぼ同じっていうのは、斬新ですよね。
それに、誇り高い職人って感じがして、リスペクトされやすくなると思いますね。
千葉県木更津市ご出身の長谷川さん、靴磨きという仕事を「子供が憧れる職業に」という思いもあり、母校の小学校、木更津市立請西小学校(じょうざいしょうがっこう)でのキャリア授業もなさったそうです。
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靴磨きの実習をした子供たちが、ピカピカになっていく靴を見てピカピカの笑顔で喜んでいる姿が嬉しかったそうです。
長谷川裕也さんの年収は?
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長谷川さんは「靴磨きをファッションにしたい」「靴磨き職人をしっかり稼げる職業にしたい」という思いをずっと抱いてきたそうです。
確かに靴磨きって「貧しい」イメージが強いですよね。
なので、靴磨きの価格も値上げを繰り返してきました。
10分500円だった路上時代から大幅な方針転換で、1500円、3500円、6000円のコースを用意した時期を経て、一律2400円、4000円と値上げを繰り返すたびに、高いと思うお客さんはどんどん離れていったそうです。
1時間かけて隅々まで磨くことを売りにしているので、ヘアカットやマッサージの10分1000円の相場を参考に、6000円にしたいのが本音だとか。
それでは高すぎるかと、4000円の基本料金と2000円の「指名料」に分けて、理解を求めたところ残ってくれたお客さんが今のベースのようですね。
会社の売り上げを支えているのは、オリジナルで開発したクリームなどの物販だそうです。今では売り上げの3分の1を占めるほどになり、これがなかったら会社が存続してないぐらい大きな存在となっているそうですが、開発を始めたのは値上げと東日本大震災で売り上げが激減した頃だそうです。
結果オーライとなっているので「英断」と言えるのでしょうが、チャレンジャーやな。
長谷川さんご自身を含めスタッフ8人の青山本店、スタッフ1名の青山のもう1店舗と札幌のお店、新業態の虎ノ門のお店、の4店舗を展開して物販と磨きのサービスで回している会社の年商っていうと、どれくらいでしょうかね?
「靴磨き職人をしっかり稼げる職業にしたい」という思いを考えると、スタッフさんやご自身の年収は、意図的にある程度高めを確保されているのではないかと思います。
となるとスタッフさんはサラリーマンの平均年収と言われる400〜500万円あたりで、ご自身は最低でも1000万は確保されていないとカッコつきませんよね。
お店を開いて12年となるともうベンチャーというより成長・拡大期に入りつつあるフェーズだと思うので、自分の給料もしっかり取らなければならない段階でしょう。
若い頃にすげーとやる気を焚きつけられた千葉スペシャルの千葉さんがこなしていた「1回800円で1日100人の人に靴磨き」の売り上げや、英会話教材販売の頃のフルコミッションのお給料の額も参考にされているかもしれませんね。
千葉スペシャルをベースにすると、1日8万円で30日休みなく働くと、月に240万、年間で2880万。
英会話教材販売の頃のフルコミッションのお給料をベースにすると、週40万から計算すると月に160万、年間1,920万円。
たぶんこれ以上はご自身の報酬(年収)は取っていらっしゃるのではないでしょうか。まあ推測ですが。
2017年には、靴磨きをテーマとした自己啓発本も出版されています。
靴磨きって瞑想に似ている、無心になれると言って趣味にしているビジネスマンも増えているし、靴磨き教室も増えてますしね〜。一読の価値あるかも。
靴磨き世界一1足4000円のお店はどこ?
長谷川さんの靴磨きを体験できるのは、東京青山の骨董通りにある Brift H (ブリフトアッシュ)というお店です。
バーのようなお店で、お客さんの眼の前で約1時間かけて、職人さんが丁寧に靴を輝かせていくプロセスを見ることができます。
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青山のお店には、現在長谷川さんを含め8人の職人さんがいて、毎月シフトが発表されています(上の写真で磨いているのはスタッフの新井田さん)。
基本は電話で予約して来店の形ですが、遠方の場合は宅配でも受け付けてもらえるそうですよ。
店舗情報はこちらです。
新形態の店舗、SHOESHINE&BARを2019年12月に、東京虎ノ門にオープン。
ここでは店名の通り、お酒を飲みながら靴磨きの様子を眺めることができ、シューシャイナーさんとの会話も楽しめるそうです。
メニューは次の3つです(お値段はすべて税抜き)。
Aコース(アメイジングシャイン):3,000円
Bコース(ビットシャイン):2,000円
Aコースのアメイジングシャインは、ピッカピカの鏡面仕上げ、Bコースのビットシャインは栄養補給中心の「ヨーロッパ人が好む、ほどよく光った状態」に仕上げるのだそうです。
他の店舗にはない、スニーカー磨きがあるのはここだけ。
というのも、虎ノ門近辺にはIT企業が多く、ビジネスカジュアルに合わせてレザースニーカーを履く人が多く行き交い、その人達をターゲットとしているからだそうです。
お気に入りの高い皮のスニーカーを長持ちさせたいけど、お手入れ方法がわからなくて困っている方は、一度虎ノ門のバーを訪ねてみてはいかがですか?
長谷川さんは、毎週金曜日がお当番日だそうです。
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ぱっと見、普通のバーのようですよね。
オリジナルカクテルや、カレーも味わえるそうですよ(もちろん全部有料)。
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最後にTHE SHOESHINE AND BARの店舗情報です。
THE SHOESHINE AND BAR
営業時間:靴磨き11:00〜20:00、バー16:00〜23:00
定休日:日祝
住所:東京都港区西新橋2-33-2
ふらりと入って靴を磨いてもらうことができるので、青山本店よりも気軽に立ち寄れそうですね。
まとめ
高級靴磨きって、贅沢な響きですよね。
確かに、きちんと手入れされた靴はとても好印象を与えるし、何より履いている本人の気分を上げてくれます。
そして何より靴の持ちが違う!
そういう意味では、すごくいいお金の使い方なんじゃないでしょうか。そこに目をつけた長谷川さん、すごいですよね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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